この記事のポイント:タクシードライバーになるために必要な二種免許の取得費用と、名古屋交通圏のタクシー会社が用意している費用補助制度を整理します。自費取得と会社負担の違い、補助の条件、注意点を詳しく解説します。
タクシードライバーとして働くには「普通自動車第二種運転免許(二種免許)」が必須です。一種免許しか持っていない方は、新たに二種免許を取得する必要があり、教習所での費用は20万〜25万円程度かかります。しかし名古屋交通圏のタクシー会社の多くは、未経験者の採用にあたり二種免許の取得費用を会社が負担(または立替)してくれる制度を用意しています。本記事では、二種免許の取得費用、会社負担制度の仕組み、自費取得のケース、注意点を整理します。
二種免許とは
普通自動車第二種運転免許(略して二種免許)は、お客様を乗せて運賃を受け取る営業運転をする際に必要な運転免許です。タクシー・ハイヤー・バス・運転代行などで必須となります。一種免許より厳しい運転技術と判断力が求められ、取得時の試験も学科・技能ともに難易度が高めに設定されています。
受験資格は「21歳以上、かつ普通一種免許取得後3年以上」です(2022年5月の道路交通法改正で19歳以上・普通免許取得後1年以上に緩和される特例制度もありますが、所定の教習が必要)。20歳以下の方や一種免許取得から日が浅い方は、受験資格を満たしているか事前に確認しましょう。
一種免許との主な違い
| 項目 | 一種免許 | 二種免許 |
|---|---|---|
| 営業運転 | 不可 | 可(タクシー・ハイヤー等) |
| 受験資格(年齢) | 18歳以上 | 21歳以上(特例19歳〜) |
| 免許歴要件 | なし | 一種取得後3年以上(特例1年〜) |
| 技能試験の難度 | 標準 | 高め(鋭角・縦列・方向変換) |
| 学科試験合格基準 | 90点以上 | 90点以上(出題範囲が広め) |
取得費用の相場
一発試験は試験場で技能試験を直接受ける方法で、費用は安いものの合格率が極めて低く、現実的にはほとんどの方が教習所経由で取得します。
| 取得方法 | 費用相場 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 通学(普通免許所持) | 20万〜25万円 | 2〜3ヶ月 |
| 合宿(普通免許所持) | 18万〜23万円 | 8〜12日 |
| 一発試験(直接受験) | 5,000円〜 | 習熟度次第 |
費用を抑える方法
通学教習所は日程の融通が効く反面、費用が高めになりがちです。費用を抑えたい場合は以下の方法を検討できます。
- 合宿免許の活用:通学より3万〜5万円程度安くなるケースが多く、短期間で集中して取得できます。ただし在職中は日程確保が難しいため、転職を機に活用するパターンが一般的です
- 教育訓練給付制度:雇用保険の被保険者期間が一定以上(通常3年以上)ある方は、ハローワーク経由で指定講座受講費用の一部(最大10万円程度)の給付を受けられる場合があります
- 会社負担制度の利用:後述の通り、タクシー会社に入社して費用を負担してもらう方法が最も費用を抑えられます。会社によっては全額・返済不要の制度もあります
- AT限定二種の活用:AT車のみ運転するハイヤー・タクシー専業なら、AT限定二種でも業務に就ける場合があります。AT限定のほうが教習時間が短く費用も若干低くなります
名古屋交通圏のタクシー会社の費用補助制度
名古屋交通圏のタクシー会社の多くは、未経験者の採用にあたり二種免許の取得費用を会社が負担する制度を用意しています。負担の方法は会社によって異なり、主に以下のパターンに分かれます。
①全額会社負担(返済不要)
入社後に会社が教習所費用を全額負担し、返済の義務はない方式です。最も応募者にとって有利な条件ですが、その分「入社後○年以内に退職した場合は費用を返還」という条件付きのケースもあります。
②会社立替え→分割返済
会社が教習所費用を立替え、入社後の給与から月数千〜1万円程度ずつ天引きで返済する方式です。長期勤続によって完済する設計で、退職時に未返済額がある場合は一括返済が必要なことが一般的です。
③一定期間勤続後に会社が補填
入社時点では自費で取得し、入社後一定期間(1〜2年)勤続した時点で会社から取得費用相当額が「お祝い金」「定着祝い金」として支給される方式です。退職リスクを下げる仕組みとして使われます。
会社負担制度の選び方
3つのパターンはそれぞれ特徴が異なり、自分の状況に合った制度を持つ会社を選ぶことが重要です。
| 方式 | 初期費用 | 返済リスク | 会社拘束感 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 全額負担(返済不要) | ゼロ | 低(退職時要確認) | やや強め | 長期勤続を考えている人 |
| 会社立替え→分割返済 | ゼロ | 退職時に残額一括 | 中程度 | 毎月の負担を抑えたい人 |
| 勤続後補填 | 20万〜25万円 | ほぼなし | 低め | 会社を複数比較してから決めたい人 |
会社負担制度を利用する際の注意点
- ①返還条件の確認:入社後○年以内に退職した場合の返還義務がある場合は、その期間と金額を必ず書面で確認しましょう
- ②教習所の指定:会社が指定する教習所で取得する必要がある場合があります。自宅から通いやすい場所か事前に確認
- ③教習中の保証額:教習期間中の生活費保証(月20万〜25万円程度)があるかも重要なチェックポイント
- ④退職時の精算方法:未返済額がある場合の一括返済可否、分割可否を確認
- ⑤年齢・運転歴の要件:会社が定める応募要件(21歳以上等)を満たしているか
自費取得を選ぶケース
会社負担制度がある一方で、自費取得を選ぶ方もいます。理由としては、複数の会社を比較する自由度を確保したい(会社に縛られたくない)、すでに二種免許の取得を始めている、などが挙げられます。
自費取得の場合は、教育訓練給付制度(雇用保険から最大10万円程度の給付)を利用できる場合があります。雇用保険被保険者期間が一定以上(通常3年以上)の方は、ハローワークで申請可能です。自費取得後に複数社と面接・条件交渉ができるため、給与体系・保障給・研修制度を十分に比較してから入社先を選べる点が大きなメリットです。
入社から二種免許取得・独り立ちまでのスケジュール例
- 1日目〜:会社入社・健康診断・各種書類提出
- 1〜3週目:会社の新人研修(地理・接遇・社内ルール)
- 3〜6週目:教習所通学(学科・技能)
- 6〜8週目:技能試験・学科試験合格・二種免許交付
- 8〜10週目:地理試験(必要地域)・接客実技研修
- 10週目〜:先輩同乗研修(1〜2週間)
- 12週目〜:独り立ち・通常乗務スタート
取得期間のリアルなスケジュール:通学と合宿の比較
通学と合宿ではスケジュール感が大きく異なります。特に在職中からの転職の場合、通学は週3〜5日の通所が必要となるため、会社入社後の研修期間中に集中して受けるのが現実的です。
| 方式 | 通所日数 | 総日数 | 費用 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 通学(教習所) | 週3〜5日 | 5〜8週間 | 20万〜25万円 | 自宅近くで通えるペースで学べる | 費用が高め・期間が長い |
| 合宿免許 | 毎日 | 8〜12日 | 18万〜23万円 | 短期集中で取得できる・費用が安め | 日程の確保が必要・宿泊が必要 |
| 一発試験 | 試験日のみ | 複数回の受験が必要な場合も | 5,000円〜(受験料のみ) | 費用が最安 | 合格率が極めて低い(10%以下) |
※費用・期間は一般的な目安であり、教習所・受験回数・個人の技量によって異なります。
よくある質問
二種免許の取得費用は本当に会社が出してくれますか?
はい、名古屋交通圏のタクシー会社の多くは、未経験者の採用にあたり二種免許の取得費用を会社が負担(または立替)する制度を用意しています。ただし方式は会社によって異なり、全額負担(返済不要)、会社立替え→分割返済、一定期間勤続後の補填、の3パターンに大別されます。返還条件や勤続要件があるケースもあるため、入社前に必ず書面で確認しましょう。
教習中の生活費はどうなりますか?
多くの会社では、教習期間中も「教習中保証」として月20万〜25万円程度の給与が支給されます。これにより、収入ゼロの期間を作らずに二種免許取得に集中できます。会社によっては寮や住宅手当を提供しているところもあり、地方からの転職者でも安心して通えます。教習期間は通常6〜8週間程度です。
入社後すぐ退職したら費用は返還しないといけませんか?
会社の制度によります。「入社後○年以内に退職した場合は費用を返還」という条件付きの会社が多いです。一般的には1〜3年以内に退職すると、未経過期間に応じた返還が求められます。完全に返済不要の会社も一部にありますが、返還条件は必ず入社前に書面で確認しましょう。口頭の約束だけでは後でトラブルになる可能性があります。
自費で取得するメリットはありますか?
メリットは会社選びの自由度が上がる点です。会社負担で入社すると返還条件などで一定期間その会社に縛られる場合があります。自費取得なら、複数の会社を比較し、ベストな条件のところに転職できます。教育訓練給付制度を利用すれば、雇用保険から最大10万円程度の給付を受けられる場合もあります。
二種免許取得から独り立ちまでどのくらいかかりますか?
一般的には入社から12週間(約3ヶ月)程度です。内訳は新人研修1〜3週、教習所通学3〜6週、地理試験・接客研修1〜2週、先輩同乗研修1〜2週で、合計約12週です。会社の研修体制や本人の習熟度によって前後しますが、おおむね3ヶ月で独り立ちできると考えてよいでしょう。
合宿免許でも会社負担は適用されますか?
会社の制度次第です。多くの会社は「指定の教習所での通学取得」を前提としており、合宿免許が対象外の場合もあります。合宿を希望する場合は、入社前に「合宿でも費用負担を受けられるか」を確認しましょう。なお合宿の場合は宿泊期間中も教習中保証が適用されるか(日当・宿泊費の扱い)も確認が必要です。
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