この記事のポイント:普通二種免許の取得には「教習所ルート」と「一発試験ルート」の2通りがあります。それぞれの費用・期間・合格率の違いを把握し、最もコストパフォーマンスの高い取得方法を選びましょう。
タクシー運転手として働くためには、普通二種免許が必要です。「どうやって取るの?」「費用はどのくらい?」「どのくらいの期間がかかる?」という疑問を持つ方向けに、二種免許取得のプロセス全体をわかりやすく解説します。
普通二種免許とは?
普通二種免許は、タクシーやハイヤーのように旅客(お客様)を有償で輸送するために必要な免許です。一種免許(普通の運転免許)は自分や家族を乗せることができますが、お金をもらって人を乗せるためには二種免許が別途必要です。
二種免許は「大型二種」「中型二種」「普通二種」「大型特殊二種」「けん引二種」の5種類があります。タクシー(普通車)の乗務員には「普通二種免許」が必要です。
普通二種免許の受験資格
普通二種免許を受験するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 年齢:21歳以上
- 普通一種免許(または準中型・中型・大型のいずれか)を取得して3年以上経過していること
- 視力:両眼で0.8以上、かつ一眼それぞれで0.5以上(眼鏡・コンタクト使用可)
- 深視力:誤差が2cm以内
- 色彩識別:赤・青・黄の区別ができること
- 聴力:10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること
深視力(立体的な距離感の測定)は普通免許には不要ですが、二種免許では追加で要求されます。普段の視力に問題がなくても、深視力の基準をクリアできない方が一定数いますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
取得方法①:教習所ルート
最も一般的な取得方法が、指定自動車教習所に通う「教習所ルート」です。
教習の流れ
- 入校・適性検査
- 学科教習(19時限)
- 技能教習(普通一種保有者の場合:AT車は14時限・MT車は12時限が最低基準)
- 仮免許試験(教習所内の修了検定+学科試験)
- 路上教習
- 卒業検定(技能試験)
- 運転免許センターで学科試験を受験
- 合格後、免許証の交付
費用の目安
教習所によって異なりますが、普通一種免許保有者が普通二種免許を取得する場合の費用の目安は以下の通りです。
- AT(オートマチック)限定:25〜30万円程度
- MT(マニュアル)車:28〜35万円程度
この費用は地域・教習所によって差があります。また、補修(追加教習)が発生した場合は別途費用がかかります。
取得期間の目安
社会人が働きながら通う場合は2〜3ヶ月程度が一般的です。集中的に通えば1〜1.5ヶ月での取得も可能です。教習所のスケジュールと自分の時間的余裕に合わせて計画しましょう。
AT限定とMT、どちらを選ぶか
現代のタクシー車両は大部分がAT(オートマチック)であるため、AT限定でも実務上は問題のない会社がほとんどです。費用が少し安く、技能教習の時限数も少ないAT限定を選ぶ方が多い傾向があります。ただし、会社によってはMT車両を使用しているケースもあるため、入社予定の会社に確認しておくと安心です。
取得方法②:一発試験ルート
教習所に通わず、直接運転免許試験場で技能試験と学科試験を受験する「一発試験(直接受験)」という方法もあります。
一発試験のメリット・デメリット
メリット:
- 費用が大幅に安い(試験費用・免許交付料含めて数万円程度)
デメリット:
- 合格率が低い(後述)
- 不合格の場合、何度も受験費用がかかる
- 試験当日のコンディション・技能の精度が問われる
- 練習環境を自分で確保する必要がある
費用節約効果がある反面、合格まで複数回受験が必要になるケースが多く、結果的に時間・費用ともに教習所ルートと変わらないか高くなることがあります。詳細は別記事「二種免許を一発試験で取得する方法・合格のコツ」をご参照ください。
会社負担制度を活用した取得(最もコスト効率が良い方法)
タクシー会社への入社を前提として、会社が二種免許取得費用を負担する制度を多くの会社が設けています。この制度を活用することで、自己負担ゼロ(または大幅減額)で免許を取得できます。
会社負担制度の仕組み
典型的な仕組みは以下の通りです。
- 会社が教習所費用を立て替える、または直接支払う
- 入社後、一定期間(1〜3年程度)勤務することが条件
- 条件期間内に退職した場合、費用の返還を求められることがある
転職を考えている方にとって、会社負担制度は最も費用を抑えた形で免許を取得できる方法です。ただし、条件(勤続義務期間・返還ルール)を事前に確認した上で活用することが大切です。
免許取得後の流れ
二種免許を取得したら、タクシー会社への入社・研修へと進みます。
- 入社:採用手続き・健康診断・書類提出
- 初任適性診断:国土交通省規定の初任運転者適性診断を受診
- 社内研修:地理・接客・運賃メーター操作・緊急時対応等の研修(会社によって2週間〜1ヶ月程度)
- 指導乗務:先輩乗務員に同乗して実地研修
- 単独乗務開始:研修完了後、一人での乗務スタート
よくある質問
Q. 教習所での二種免許取得にかかる期間は最短どのくらいですか?
A. 合宿形式や集中的に通う場合、最短で2〜3週間程度での取得も可能です。ただし、教習所のスケジュールや技能習熟度によって前後します。社会人が働きながら通う場合は1.5〜3ヶ月程度が現実的な目安です。
Q. 二種免許はAT限定でも実務に問題ありませんか?
A. 多くのタクシー会社の車両はATのため、AT限定でも実務上は問題ないケースがほとんどです。ただし入社予定の会社に確認することをおすすめします。MT車を使用している会社も一部あります。
Q. 会社負担で二種免許を取得した後、すぐ辞めても費用は返さなくていいですか?
A. 会社の規定によります。多くの場合、一定の勤続期間(1〜3年程度)が条件として設けられており、その期間内に退職すると取得費用の全部または一部を返還しなければならないことがあります。入社時に労働契約書・規定で確認してください。
Q. 深視力検査に不安があります。事前に確認できますか?
A. 教習所の入校前検査や、運転免許試験場の事前相談窓口で確認できる場合があります。眼科で深視力の検査を受ける方法もあります。不安な方は早めに確認しておくことをおすすめします。